日本とは何ぞや?

Y染色体の研究をもとに独自視点で想像を膨らませます。

最初に

まずは、前提となる知識について書こうと思う。この位知ってるわという人は飛ばしていただけたらと。やたらと専門用語が出てくるので触れないと一部の人しか理解出来なくなる。

 

Y染色体について

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細胞の中には、球状の核があって、その核の中に、DNAというものを備え付けた染色体という糸のようなものがあります。

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人間の染色体の場合、父から22本、母から22本を受け継いで同じ部位で対にした22対44本の常染色体と、1対2本の性染色体が原則あります。

男性の性染色体は、原則、父親から受け継いだY染色体と母親から受け継いだX染色体という2本になります。

女性の性染色体は、原則、父親から受け継いだX染色体と母親から受け継いだX染色体という2本になります。

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Y染色体は、変異はしますが、代々延々と父親から息子へと受け継がれるDNAを備え付けたものと理解して下さい。

 

DNAについて

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螺旋状のはしごのようなものがDNAです。ヒトの全ての染色体は、たんぱく質ヒストンにこのDNAが絡まって構成されています。DNAはY染色体の他にもあるため、Y染色体のDNAのことをY-DNAと呼びます。

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はしごを真っ二つに切った足場部分が、遺伝情報の文字とも言え、塩基と言います。塩基はヒトのY染色体のDNAの場合、A、G、T、Cの4種類あり、CはGと、AはTと必ず結び付きます。DNAの文字の有効な配列を遺伝子と呼びます。細胞はたんぱく質を合成したり、自ら分裂したりします。たんぱく質を作る際はDNAの文字を転写して3文字で1単語となり、アミノ酸を合成させてたんぱく質を作ったりします。

DNAという微生物時代からの長い遺伝子レベルでの歴史書で、人間を形作り維持させるのに一役かっていると思って頂けたらいいかと。

 

ハプログループとは

塩基は変異により違う文字になったり、文字が挿入されたりすることがあります。そうした変異が調査した人間集団の中で1%以上ある場合、その変異の痕跡を一塩基多型(SNP)と言います。

知られているSNPの種類・数等をもとに検査するDNAを仕分けしたもの、同じSNPを持つDNAの集団をハプログループと言います。

ハプログループは、初めてそのSNPを持って生まれた男子を共通祖先とする子孫の集団とも言えます。 

例えば、D1bは、そのDNAの中にたくさん保管してあるSNPの中で、A0-TのSNPであるL1085、A1のSNPであるP305、A1bのSNPであるP108、BTのSNPであるV31、CTのSNPであるM168、DEのSNPであるYAP、DのSNPであるM174、D1のSNPであるCTS11577、D1bのSNPであるM64を併せ持ったハプログループです。

C1a1は、A0-TのSNPであるL1085、A1のSNPであるP305、A1bのSNPであるP108、BTのSNPであるV31、CTのSNPであるM168、CFのSNPであるP143、CのSNPであるM130、C1のSNPであるF3393、C1aのSNPであるCTS11043、C1a1のSNPであるM8を併せ持ったハプログループです。

つまり2つは遺伝子上、A0-T、A1、A1b、BT、CTという男系の共通祖先をもつということになります。

 

注意事項

Y染色体ハプログループはA~Tまでの大文字(ハプロタイプ)で大きく分類されます。その後は数字とアルファベットの小文字を交互に繰返して分類されます。例えばD1bはDの子孫筋(ハプログループ)であり、Dから見てD1やD1b等のことをサブクレードと呼びます。

②例えば(Y染色体ハプログループ)Dと言った場合、これはD1b、D1aやD2を含んだ大集団を意味します。

③例えばD-M55と言った場合の『M55』はそのハプログループ、この場合はDだけにある変異の痕跡(SNP)の名称です。

③例えばDE*-YAP(xD1a1-M15)と言った場合、YAPの変異のあるものからM15の変異のあるものを除いた余りを意味します。

なお、D*-M55(xD1a1-M15)と言った場合、これはD1bを含んでいますが、D1bの数を特定出来ないため、この検査結果はD1bではなくDの欄で増やしています。したがって、日本人D1bの正確な割合は、D1bの欄の日本人での割合から、DEの欄の日本人での割合の間になります。

④このサイトでD*と言った場合、M55の変異を起こした直後のD、つまりD*(xD1,D2)と思って下さい。D以外のハプログループも同様で、例外はFの1つサブクレードのハプログループF*だけです。

⑤第1章ではハプログループがどこに分布しているかを分析します。

例えばD-M55のところで日本人3/9と仮に書かれていた場合、日本人9人をY-DNA検査をした結果3人にM55が観測されたとなります。

⑥第1章の注釈は基本的に、論文か、0%の民族・国・地域を表示します。注釈は必要ない人が大半かと思いますが、更なる追加統計の為に不可欠なため置きます。また、とある民族にDがいるのか調べたい場合、載っていればこのサイトの現段階ではその民族で検査をしていることになりますし、逆の場合はこのサイトが確認していないか、検査が行われていないことになります。

民族・国・地域は出来る限りwikipediaに沿った日本語名にしています。wikipediaの日本語版に載っていない民族・国・地域は、無理に日本語に当て嵌めず、出来る限りwikipediaの英語版に沿ったアルファベットで表記しています。

論文は複数いる論文作成者の先頭に書かれている方の姓に西暦4桁で表します。現在のところ、論文はインターネット・PDFで誰でも無料で閲覧することが出来るものに限らせていただきます。

⑨Y-DNAハプログループを分類した論文はこのサイトで引用したものが全てではなく、数えきれないほどあります。論文によって割合は異なるため、本来の割合はこのサイト記載の割合を前後する可能性が十分あり得ます。ご了承ください。